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公益財団法人日本医療機能評価機構
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業

事例番号000000000122
発生日時
発生年2009年
発生月6月
発生曜日火曜日
発生時間帯14:00〜15:59
事例の概要
実施の有無実施あり
治療の程度不明
事例の概要調剤
患者に関する情報
患者の数1人
患者の年齢60歳代
患者の性別
医療関係者に関する情報
発見者他職種者
当事者薬剤師 1人
調剤に関する項目
発生場面交付
事例の内容説明間違い
関連医薬品

厚労省コード2242002B2097
販売名リン酸ジヒドロコデイン散1%「タケダ」
製造販売業者名武田
発生要因に関する項目
発生要因患者への説明が不十分であった(怠った)
技術・手技が未熟だった
教育・訓練
事例の内容
患者は、4月○日と5月△日に耳鼻科にてライトゲンシロップとSPトローチを処方されていた。薬剤師は、5月△日の薬の交付時に、患者から、服薬の中断があり、咳が治り切っていないとの情報を得ていた。そこで、決められた用法できちんと服用するように指導した。患者は、その後も咳が止まらないため、6月△日に内科を受診し、リン酸ジヒドロコデイン散の他、キョウニン水、オピセゾールA液、SPトローチ、麦門冬湯を5日分処方された。薬剤師は、リン酸ジヒドロコデイン散の副作用による便秘に注意するように伝えた。患者は5日間リン酸ジヒドロコデイン散を服用せず、咳も止まらなかった為、再度、内科を受診した。医師は、その際、「薬剤師にリン酸ジヒドロコデイン散は飲まなくても良いと指導された」と、患者から聞き、電話にて薬局に問い合わせがあり、発覚した。患者の咳は複数の病態が混在しており、医師は、咳を止めてから、次の治療を行う予定であったが、ノンコンプライアンスがあったため、次の治療が出来なかった。
背景・要因
・リン酸ジヒドロコデイン散の副作用(便秘)を伝える際、便秘になったときにどうしたらいいのかについて説明不足であった。
・副作用を強調した時に患者が服用を中断してしまう可能性についての認識が不足していた。
・咳止めが複数処方されていたので、その処方意図がわからなければ、疑義照会するべきであったのにしなかった。
・咳が続いていた患者の病態についての認識が不十分であった。
改善策
・副作用を伝えることで、患者に不安を与えないように、十分説明に注意する。
・副作用が出たときには、服用を中止する前に、医師か薬剤師に連絡するように患者に伝える。
・治療目標に主眼を置き、不明な点は必ず疑義照会をする。