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公益財団法人日本医療機能評価機構
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業

事例番号000000000521
発生日時
発生年2009年
発生月7月
発生曜日金曜日
発生時間帯12:00〜13:59
事例の概要
実施の有無実施あり
治療の程度不明
事例の概要調剤
患者に関する情報
患者の数1人
患者の年齢80歳代
患者の性別
医療関係者に関する情報
発見者他職種者
当事者薬剤師 2人
事務員 1人
調剤に関する項目
発生場面内服薬調剤
事例の内容規格・剤形間違い
処方された医薬品

厚労省コード3399004M3029
販売名エパデールS600
製造販売業者名持田
間違えた医薬品

厚労省コード3399004M2022
販売名エパデールS300
製造販売業者名持田
発生要因に関する項目
発生要因確認を怠った
仕組み
事例の内容
エパデールS600を300に間違えた。
当該患者の担当ヘルパーから入電。本日患者宅へ薬を持参する予定だが、薬の説明書の写真と現物が異なるため確認したいとの内容であった。
処方せん確認により、誤調剤が発覚。
背景・要因
1.当該患者の調剤は一包化調剤であり、エパデールS600は一包化対象外の薬剤である。
2.エパデールSには3規格(300,600,900)が存在し、3種類を並列に保管管理している。
3.調剤者は、一包化調剤終了後にエパデールS600をピッキングすべきところ思い込みにより300を誤調剤した。
4.鑑査者は、一包化薬の鑑査と共にエパデールSの数量は確認したが、規格の600を消し込みしていないところから、確認漏れと思われる。(手順書を逸脱した鑑査手順を実施したと思われる)
5.投薬者は、患者の代理(ヘルパー)とともに本日から開始になったエパデールS600の確認を実施したが、薬の説明に終始し処方せんと現品(規格)の確認を怠ったと思われる。(当然ヘルパーは初めての薬剤のため、薬剤師との相互鑑査において気付くことはなかった)
6.当薬局では、バーコードによる鑑査チェックを実施しているが、一包化薬の患者の場合有効性が低いためにバーコード鑑査による薬剤の照合を実施していなかった。
改善策
1.調剤手順:エパデールSの配置・配列については、並列配置・注意喚起の実施を施してあるため、これ以上の対応は不必要と判断。
2.鑑査手順:鑑査と共に実施する消し込み行為が不十分であったことが原因であるため、再度手順書の内容を周知徹底する。
3.投薬手順:患者との相互鑑査を基本としているが、代理者並びに新規開始薬剤の場合、相互鑑査が機能しない。よって、投薬前における投薬者による自己鑑査の徹底を図る。
4.その他:通常の調剤(一包化薬以外)の場合、バーコード鑑査により防ぐことが可能な事例であったため、今まで実施していなかった『一包化薬患者のバーコードによる鑑査』を実施検討する。そのために、業務手順書を見直すことを早急に実施する。