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公益財団法人日本医療機能評価機構
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業

事例番号000000019957
発生日時
発生年2011年
発生月9月
発生曜日火曜日
発生時間帯10:00〜11:59
事例の概要
実施の有無実施なし
治療の程度
事例の概要疑義照会
患者に関する情報
患者の数1人
患者の年齢60歳代
患者の性別
医療関係者に関する情報
発見者当事者本人
当事者薬剤師 1人
疑義照会に関する項目
仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響患者に健康被害が生じなかったが、医師の意図した薬効が得られなかったと推測される。
疑義があると判断した理由当該処方せんと薬局で管理している情報で判断
変更内容薬剤変更
処方された医薬品

厚労省コード6132013M2025
販売名セフゾンカプセル100mg
製造販売業者名アステラス
変更になった医薬品

厚労省コード6132015F1037
販売名メイアクトMS錠100mg
製造販売業者名MeijiSeika
発生要因に関する項目
発生要因医薬品
事例の内容
「セフゾンカプセル100mg、1日量3カプセル、分3×3日分、毎食後服用」で処方箋が発行された。薬剤服用歴簿の記録より、他の医療機関より「フェロミア錠50mg、1日量2錠、分2×56日分、朝夕食後服用」が継続処方されており、セフゾンカプセル100mgとの相互作用が疑われた。患者の話では、医師にはフェロミア錠50mgを服用中であることは伝えており、処方医師より同時に服用して問題ないと説明を受けたとの申し出があった。服用時点の変更も考慮したが、患者の生活のリズム(仕事の途中に服用するよりも食後の服用の方がアドヒアランスが高まる)より薬剤を変更することが望ましいと判断した。処方医にセフゾンカプセル100mgと鉄剤の併用により、吸収が10分の1以下に低下する報告があるため、他のセフェム系抗生物質に変更できないか、疑義照会により提案を行った。「メイアクトMS錠100mg、1日量3錠、分3×3日分、毎食後服用」に変更となった。
背景・要因
処方医師に併用薬の報告を患者が行っていたとしても、医師が相互作用に関する情報を全て理解しているとは限らない。薬剤師が判断して疑義があれば、必ず疑義照会を行い、疑義が解消された上で調剤を行う必要があった。
改善策
処方された医薬品を調剤することに対して、薬剤師として治療の結果に責任を持つ姿勢が大切だと考える。他の医療機関における服用歴も確認の上、治療結果に対して起こりうる問題点があれば、薬剤師として必ず処方医師に情報提供を行った上で適切な処方内容となるように行動を起こす必要がある。