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公益財団法人日本医療機能評価機構
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業

事例番号000000038421
発生日時
発生年2014年
発生月7月
発生曜日金曜日
発生時間帯14:00〜15:59
事例の概要
実施の有無実施なし
治療の程度
事例の概要疑義照会
患者に関する情報
患者の数1人
患者の年齢50歳代
患者の性別
医療関係者に関する情報
発見者当事者本人
当事者薬剤師 1人
疑義照会に関する項目
仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響患者に健康被害があったと推測される。
疑義があると判断した理由上記以外で判断
変更内容分量変更
処方された医薬品

厚労省コード1124017F2135
販売名2mgセルシン錠
製造販売業者名武田
発生要因に関する項目
発生要因確認を怠った
知識が不足していた
事例の内容
50歳代男性が初めて当薬局に来局される。神経内科より発行された処方せんを提出。処方内容はRp.2mgセルシン錠2錠分2×28日分朝夕食後服用であった。初来局の問診を行ったところ、他科受診:眼科,併用薬:緑内障治療薬と記載あり。セルシン錠は急性狭隅角緑内障のある患者には禁忌とされているが、外来では「緑内障禁忌の薬を使っても、緑内障発作をおこす心配はきわめて少ない」と言われているが、万が一のこともある為、緑内障の種類や治療について患者に再度確認した。「緑内障の詳しい種類などは良く分からないので、直接眼科に確認して欲しい」との申し出があり。患者の許しを得て、現在治療を受けている眼科医に今回の経過を報告の上、緑内障の種類を確認した所、「急性ではないが、現在狭隅角緑内障の治療中であるので、今回は投与量を処方の半量で開始することが望ましい」との助言があった。処方医にこのことを報告の上、処方変更の提案を行ったところ、Rp.2mgセルシン錠1錠分1×28日分夕食後服用に処方を変更するとの回答があった。
背景・要因

改善策
緑内障のほとんどの方が開放隅角緑内障と言われている。また、狭隅角の人でも、眼科で予防的にレーザー虹彩切開術を受けていれば、緑内障急性発作の危険はないとされているが、まれにこのような処置を受けていない狭隅角緑内障の方もいることを念頭に処方鑑査を行うことが必要である。また、処方医と眼科医の情報の橋渡し役的な役割を薬剤師が担うことで、患者の健康被害を未然に防ぐことも、地域における薬剤師の重要な役割だと考える。