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公益財団法人日本医療機能評価機構
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業

事例番号000000043240
発生日時
発生年2015年
発生月7月
発生曜日木曜日
発生時間帯10:00〜11:59
事例の概要
実施の有無実施なし
治療の程度
事例の概要疑義照会
患者に関する情報
患者の数1人
患者の年齢70歳代
患者の性別
医療関係者に関する情報
発見者当事者本人
当事者薬剤師 2人
疑義照会に関する項目
仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響患者に健康被害が生じなかったが、医師の意図した薬効が得られなかったと推測される。
疑義があると判断した理由当該処方せんのみで判断
変更内容用法変更
処方された医薬品

厚労省コード4291016F3023
販売名タルセバ錠150mg
製造販売業者名中外
発生要因に関する項目
発生要因連携ができていなかった
コンピュータシステム
仕組み
事例の内容
70歳代の女性 内科処方せん
Rp2.タルセバ錠150mg1錠 分1夕食後 10日分
当該医療機関の疑義照会方法が、薬剤部へのFAXで行うことになっていた為、「タルセバ錠150mgの保険適応上の用法は“通常、成人には食事の1時間前又は食後2時間以降に1日1回経口投与する”とされており、用法を分1夕食間に変更して頂けないか?」と記載して問い合わせを行う。当該医療機関薬剤部より「処方通りです」との回答あり。
回答の内容疑義が残る為、薬剤部に電話で、用法を夕食後とする理由を尋ねた。「電子カルテの用法マスタに夕食間がなく、医師が患者には21時に服用するよう指示を出している為、夕食後で調剤して欲しい」との回答あり。
「食後に服用した場合、AUCが増加し、副作用の発現の可能性も高くなるため、夕食間での処方が難しいようであれば、1日1回21時服用でも良いので、処方変更を検討して欲しい」と再度依頼を行った。その後、FAXにて薬剤部より、「分1寝る前(21時)に服用」に用法を変更するとの回答があった。
タルセバ錠150mg1錠 分1寝る前(21時)服用 10日分 で調剤を行った。
背景・要因
医療機関での用法マスタが対応できない為、用法が夕食後で発行されていた。保険薬局からの問い合わせも、薬剤部に上手く伝わっておらず、連携の不備もあった。
改善策
・医療機関での用法マスタの登録を行う。
・保険薬局からの問い合わせは、理由と目的を明確にして行う。
・疑義が解消しなければ、再度問い合わせを行う等して、より慎重な対応が必要である。